私の家の近くには、とても小さな川が流れています。川の周辺には沢山の緑が生い茂り、鳥や虫、魚など様々な生物の姿を見る事が出来ます。川沿いには、ジョギングや散歩をする人、鳥の写真を撮っている人など思い思いに楽しむ姿を多く見かけます。また、夏には子供たちが水遊びをしたり、網を片手に走り回ったりしています。住宅地を流れる川でありながら、沢山の自然を感じる事が出来る、ちょっとした癒しスポットです。
しかし、以前からこのような場所だったわけではありません。昔は、フェンスを覗くと川は深く掘り下げられた場所に流れていました。水辺を近くに感じる事は出来ませんでした。決して綺麗な川ではありませんでした。
市は「河川環境整備基本計画」の検討に着手し、流域の人達とワークショップを行いながら、河川の整備をする計画を立てたそうです。その後、「ふるさとの川モデル事業」の指定を受けた事から少しずつ整備が行われていきました。
整備されてから久しぶりにこの場所へ行った日の事を、今でも覚えています。まるで昔からこの景色がここに存在していた様な、そんな懐かしい気持ちになりました。
それまでは全く行く事のなかった場所ですが、整備されて以降、私の癒しの場所となりました。犬の散歩に行ったり、ジョギングをしたりと、今ではとても大切な空間です。
自然を一度壊してしまうと、元の姿を取り戻す事はとても難しい事です。しかし、この場所は人々の手によって生まれ変わりました。周りの地形や環境と上手になじんだ、緑が豊かな風景へと変わりました。そして、多くの人が集まる空間となりました。
最近、私はかなりの運動不足です。久しぶりにジョギングに行こうかな?なんてこのコラムを書いていたら思いました。しかし、ジョギングはかなり御無沙汰です。果たして、風景を楽しみながら走る余裕があるのでしょうか?心配です。