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新鮮な目線③「中部水再生センター」

連載の3番手は、再び川村、千葉、二宮の3名で、中部水再生センターの見学レポートをします。

水再生の仕組み

 私達の生活等で排出された水はどのような経路をたどっているかご存知ですか?
 汚れた水は下水道を通って、水再生センターへと流れて行きます。その後、この施設内で、汚れた水に含まれているゴミや砂、泥を取り除いた後、消毒し、綺麗になった水を川や海に流しています。私達が訪問した中部水再生センターもその役割を担う施設の1つで、横浜市内の水を日々処理しています。

注目ポイント -微生物の力-

hannoutanku.JPG 中部水再生センターでは、生物の力を利用して水の浄化を行っています。その生物とは、なんと微生物です。

① 沈砂池 → ② 最初沈澱池 → ③ 反応タンク → ④ 最終沈澱池 → ⑤ 消毒の5 つの工程を経て、水を海に戻します。
 最初沈澱池で処理を終えた水に、反応タンクで複数の微生物が存在します。微生物達は、水に溶けている汚れを捕食・分解・増殖する事でフロックと呼ばれる泥のような塊(活性汚泥)を形成します。この塊は沈みやすいため、次の工程である最終沈澱池で汚泥と水に分離し、よりきれいな水にする事ができます。

 多くの薬品で水を綺麗にしているというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。人間等の複雑な生き物ではなく、単純構造を持つ原始的な生物達が水の浄化に大きく貢献しているのです。

 過去、中部水再生センターの各プール内に海水が逆流し、反応タンク内の微生物が死んでしまったことがありました。しかし臨海部に位置する他の水再生センターでは海が隣接しているせいか、海水耐性を持っているため、逆流が起こっても無事だったそうです。微生物達も周りの環境に適応するため、水再生センターによって個性があり、生き物を扱うからこそ生じる違いに面白さを感じました。

水環境を守る一員

tyubu_syugo.JPG 中部水再生センターとオオスミとに共通するのは「水」を扱う点です。水は私たちの暮らしに欠かせないものですが、地球上に存在する水のうち、私たちが取水して扱えるのは僅か0.02%と言われています。この貴重な水を無駄にしないためにも、適切な水処理は私たちにとって必須です。

 先ほど水処理は微生物の力により行われていることを述べましたが、水処理のシステムを運営して日々下水を浄化し、環境中に戻しているのは人の力によるものであり、私たちの周りの水環境は水再生センターをはじめとした多くの人の尽力によって守られています。

 そして私たちも、地球のドクター「オオスミ」の一員として、水質の調査・分析を行うことで水環境を守っています。皆様の周りの環境、ゆくゆくは世界の環境までも守っていけるよう力を尽くしたいと思います。

調査第一グループ 川村
調査第二グループ 千葉
分析技術グループ 二宮