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環境を守るという仕事

 20数年前の私は、漠然と環境を守る仕事に就きたいと考えていました。しかし実際に探してみると環境を守る会社というのは、有るようで無いような難しい選択だったことを覚えています。というのも業種を絞らなければ、環境を守ることに貢献している会社が山ほどあるからです。その中でも私は、環境アセスメント(以降アセスと略)を通じて環境の仕事に携わりたいと考え、オオスミに入社しました。

「環境を守る」ために大切なことは?

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 入社当時はアセスで環境を守ることを目指していた私ですが、当時のアセスは閣議アセスと呼ばれ、整備も不十分であったことから「環境合わすメント」などと揶揄されるほど、世間的に信頼された制度ではありませんでした。その後、アセスは法制化され、業務に携わる者としても実質的な進歩を感じています。

 そして、最近「環境を守る」という言葉には、どのような意味が含まれているのか改めて考えるようになりました。当然、アセスという制度は、以前にも増してその必然性が高くなっていると感じますが、それ以外に環境を守る上で大切なことが有るのではないか?と考えるようになったのです。

日本の文化にあった環境保全

 それは「文化」です。最近、海外からの観光客増加に伴い、日本の街中は清潔でごみがあまり落ちていない光景に驚嘆しているコメントをインターネットでよく目にします。これこそが日本の文化ではないかと思うのです。行政による清掃活動のお陰もあると思いますが、それによって清潔な状態を創り出すことができても、維持は難しいのではないでしょうか。やはり身近な環境に関心を持って、自分たちで考え行動することが環境保全の本質であり、日本の文化なのだと思います。kankouti.jpg  一方で最近は、自然環境が人間へ与える利益を費用換算する「生態系サービス」という概念が生まれていますが、この考え方は日本人には馴染みにくいのではないかと感じます。例えば干潟による海水浄化能力は下水処理場○個分とか、森林による保水能力はダム○個分などと例えられれば、その効果は分かりやすいですが、環境への関心を高めることには直結しにくく、より直感的に、心地良いとかきれいだとか、癒されるからというような単純な理由の方が、行動に結びつきやすい気がします。

 私自身はこれからも切磋琢磨し、まずは日本の環境を守る文化に貢献していきたいと考えています。

調査第二グループ 高橋(正)