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海外におけるロジスティック(ロジ)準備のポイント

 現在オオスミでは、国際協力機構(JICA)の委託業務となる、中小企業海外展開支援「簡易測定法を用いた省エネ診断技術及び省エネ効果の普及・実証事業」を採択し、ベトナム国ダナン市でプロジェクトを実施しています。今回は、この事業を例にとり、海外プロジェクトの"マネージメント(運営)"にかかせないロジ準備について、ご紹介したいと思います。

プロジェクト運営に必要な2つの側面

 プロジェクトには目的があり、その目的達成のために継続的な活動を実施していきます。その際、大切な視点は、活動の内容を考えるだけではなく、その活動を実施する団員が、安心して働ける環境を整えるという点となります。つまり、プロジェクトの運営には、「活動内容の準備」と「生活環境の準備」の2つの側面を考慮していく必要があります。
 後者の「生活環境の準備」は、一般的に「ロジスティック(ロジ)準備」と呼ばれ、特に海外プロジェクトでは、日本から離れて慣れない環境で生活をするため、重要な側面となっています。4つのポイントを紹介しましょう。

ポイント1 日程表案を作成しよう

 ロジ準備をするにあたり、まずは日程表案を作成して、それを基に必要事項を洗い出すことが基本となります。誰がどんな作業をするか?どこから出発して、どこに到着するか?それはいつ?5W1Hを意識して、日程表に必要な手続きを埋め込んでいく事が第一歩です。
 また海外業務では、移動手段(フライトの有無、現地内での交通手段等)、宿泊先(ホテルの選定)、現地活動の留意点(安全面も重要)、予算の確認、が重要となります。

ポイント2 宿泊先を決めよう

 hoteru.png安定した活動をするためには、生活基盤となる宿泊先(ホテル)の選定は大切な要素になります。リラックスできる室内、インターネット接続状態、また立地などが選定基準として大切です。ただし、予算の都合も考え、ホテル代が高すぎるのもNGです。
 写真は、今回のプロジェクトで良く利用している、ダナン市のホテルとなります。カウンターパートの勤務ビルに近く、周りにレストラン等もあり、かつリーズナブルな価格(5,300円/泊)のため、重宝しています。

ポイント3 交通手段・通信手段を整えよう

 現地での移動は、レンタカーやタクシー等があります。一般的には、移動の自由さから、レンタカーを利用することが多いです。今回のプロジェクトでは、16人乗りのハイエースをレンタルすることが多く、機材等も載せられ、値段も60USD/日と比較的リーズナブルな価格で利用できています。kuruma.png 通信手段については、現地での携帯電話を利用することが主となります。ベトナムではSIMフリーの携帯電話が主流となっており、SIMカードがお店で購入できます(一枚1,500円程度)。そのカードに適宜チャージをし、利用することとなります。また、団員間では、ホテル内の部屋間電話で連絡を取りあうことが多いです。

ポイント4 現地での安全面を確認しよう

 海外での業務のため、安全面は重要な要素となります。ベトナムは比較的安全な国ですが、地域や時期によって危険度に差があるため、毎回訪問時には事前確認をしておくことが大切です。情報収集はインターネットが中心となりますが、一例としてJICAで提供している「短期滞在者の手引き(生活情報)」をご紹介します。この手引では、危険時の連絡先(大使館やJICA事務所等)だけではなく、生活情報(衣食住や医療情報等)や、出入国手続きの方法等、幅広く情報が載っており便利なものとなっています。詳細は下記のアドレスから参照することができます。 (http://www.jica.go.jp/regions/seikatsu/asia.html)

順調なプロジェクト運営のために

 以上のようなロジ準備も経て、海外出張を開始する基盤ができていきます。限られた時間や予算の中で、可能な限りの十分なロジ準備をすることが、結果的には順調なプロジェクト運営に繋がると実感しています。紹介したプロジェクトは2017年6月まで続く予定ですが、今後も関係団員の安全と安心を第一とおき、ロジ準備と活動準備を進めていければと思っています。

調査第二グループ 佐上