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地 球 を 丸 く

「地球は丸い」ですが、生活する環境は国によって異なり、将来世代の子供たちは生まれる場所を選ぶことはできません。

タンザニアで感じたこと

 15年前、東アフリカに位置するタンザニアでボランティア活動をする機会がありました。
 タンザニアでは、電気のない生活は常識で、何キロもの距離を徒歩で何往復もして水を取りにいかなければならない人たち、一日の食事にやっとの思いでありつける人たち、生まれたときからHIVに感染している子どもたち、学校にも行けず小さな頃から重労働を余儀なくされる子供たち、風邪のように日常的にマラリアに罹患する状況など、どれをとっても日本では考えられない厳しい現実を目の当たりにし、日本での生活環境はすばらしいものであると率直に感じました。

tanzania.png  その一方で、キリマンジャロや広大なサバンナとそこに生息する野生動物に代表される大自然、伝統文化、家族や住民同士の相互扶助の精神が生づき、明るく暮らす人々がいました。
 「自然環境・文化・精神面において、日本は豊かであるといえるのか?」という疑問も同時に生まれました。

 日本は、戦後の経済成長により物質的な豊かさを得られた一方、ライフスタイルや人口構造の変化等により、伝統文化・伝統産業や地域コミュニティを取り巻く環境は、伝承者の減少や市場の縮小、地域コミュニティの活力の低下等により厳しさを増し、その衰退が懸念されています。

変化する持続可能な社会の捉え方

 第三次環境基本計画では「今日の『豊かさ』とは、経済的な側面だけではなく、自然環境、それから生まれた文化や伝統、良好な生活環境、人と人とのつながり、精神的な満足感といった側面からもまた得られるものであり、環境と経済の好循環に加えて、社会的な側面も一体的な向上(環境的側面、経済的側面、社会的側面の統合的な向上)を目指す」という環境政策の展開の方向が明らかにされました。

 さらに、東日本大震災等を背景に「安全・安心」の重要性の高まりを受け、第四次環境基本計画では「目指すべき持続可能な社会として、人の健康や生態系に対するリスクが十分低減され、『安全』が確保されることを前提とする」ことが盛り込まれました。

地球を丸く

「地球は丸い」ですが、生活水準・物質面での豊かさや自然環境の豊かさ、精神面での豊かさは国によって異なり、そして、将来世代の子供たちは生まれる場所を選ぶことはできません。
 将来世代の子供たちに、生まれた場所に違いはなく同じように、経済的な側面、精神的な側面の双方において豊かな社会を引き継げるようになることを望みます。
 そして、私たちの使命「地球に暮らす人々に『安全』『安心』を環境面から提供しつづけます」を通して、その一助になれればと考えています。

調査第一グループ 大貫