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土壌分析の下ごしらえ

 分析技術グループでは、大きく分けると水と土壌という二つの分析が行われています。

 水の試料については基本的にそのまま分析に着手することが出来ますが、土の試料についてはそのままの状態では分析機器に通したり試薬を入れて反応を見ることが出来ません。そのため、溶媒となる水に溶かしこむことで分析しやすい状態にする必要があります。

 これを検液調製といいます。いわば、分析前の下ごしらえです。

検液ができるまで

tuti.jpg 私が担当する土壌前処理業務では、オオスミに入荷してくる土壌や建設発生土をpH調整した溶媒に溶かして検液を作成します。

 土壌に焦点を当てて説明すると、入荷した土壌はまず風乾という作業を行います。これは試料を自然に乾かす作業のことで、土質や含水量によっては2日間かかることもあります。

 その後、乾燥した土壌を2mm以下にふるいわけしてから、溶かし込む溶媒とその10%の重量の土壌(500mLであれば50g)を溶媒の約2倍の容量のある容器に入れ、振とう器(振とう回数:毎分約200回)に入れて6時間振とうを行います。こうすることで、土に含まれる成分を溶媒中に抽出することになります。

 そうしてできた液を毎分3000回転で20分間遠心分離を行い、その上澄み液をメンブレンフィルターでろ過します。

 以上の工程を経て、土壌の検液が出来上がります。この流れと異なる作業をしたり、量り取る土壌や水の量を間違えると、その後の分析が正しく行われない事態を引き起こしてしまいます。

重要な検液調整

 土壌分析の入口として、重要な役割を担っている検液調製。毎日さまざまな土壌で検液を作成していますが、風乾にかかる時間やろ過にかかる時間など、一つとして同じものはありません。

 これからも、日々の業務だからといって油断することなく、後の工程で正しい分析結果を出せるように正確な検液作成を行っていきます。

 分析技術グループ 山岡