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PM2.5から大気汚染物質を知る

 mati.jpg近年、ニュース等でたびたび取り上げられる大気汚染ですが、その中でもよく聞く単語といえばPM2.5ではないでしょうか。

 PM2.5のPMとは粒子状物質(以下、PM)のことで、主な物質として、燃焼によって生じるばいじん、風で舞い上がった土壌粒子、工場や建設現場で生じる粉じんのほか、排ガス・石油からの揮発成分が大気中で変質してできる粒子などが挙げられます。

PMの分類や環境基準

 PMは、マイクロメートル(以下µm)の大きさの固体や液体の微粒子のことを指します。
 日本国内では、大気中に浮遊しているPMのうち、粒径が10µm以下のものを浮遊粒子状物質(以下SPM)と定義しており、環境基準(1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること)が制定されています。SPMは非常に微小であるため、大気中に長期間滞留し、肺や気管などに沈着して呼吸器に影響を及ぼすと言われています。

 皆さまが天気予報やニュースなどで耳にされているPM2.5は、SPMよりもさらに小さい粒径の浮遊粒子状物質を指し示しますが、SPMとは異なり、粒径が2.5µm以下を指し示すものではないところがポイントになります。その定義は、「大気中に浮遊する粒子状物質であって粒径が2.5µmの粒子を50%の割合で分離することができる分粒装置を用いて、より粒径の大きい粒子を除去した後に採取される粒子」としています。

 つまりPM2.5はSPMよりも小さいため、より肺や気管の奥に入りやすく、呼吸器への影響が大きいと言われており、国内では2009年9月に環境基準(1年平均値が15µg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35µg/m3以下であること)が制定されました。
 もう少し詳しくPM2.5について知りたい方は環境省のHP※などをご覧ください。
※環境省 微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報:(http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html

浮遊粉じんと降下ばいじん

 大気中のPMは、生活環境への影響からみた時に大きく浮遊粉じんと降下ばいじんに分類されます。浮遊粉じんは、生活環境に及ぼす影響として視界不良による不快感や人体への悪影響等をもたらします。前述した粒子状物質も基本的には浮遊粉じんに含まれます。一方、降下ばいじんは、粒径が大きいので大気中に浮遊できず降下・落下してしまうものを指し、生活環境に及ぼす影響として家屋や衣類、洗濯物等に付着することが挙げられます。

 建設機械の稼働に係る粉じん等の調査では、降下ばいじん量が表1に示す降下ばいじんの評価の参考値を下回っていれば、不快感に係る浮遊粉じん濃度は浮遊粉じんの評価の参考値を大きく下回ることが工事現場での実測結果から得られています。(建設省土木研究所 (平成12年1月)「建設工事に伴う粉じん等の予測・評価手法について」『土木技術資料第 42巻第1号』」
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PMの調査方法

 先に述べたように、大気中のPMは多種にわたります。調査を行う目的と、それに伴う対象とする粒子によって調査方法が異なります。
 例えばオオスミでは、降下ばいじんの調査を「ダストジャー法(「衛生試験法(日本薬学会編)」)」に定める測定方法に基づき行っています。kiki.jpg
 環境基準が制定されているSPMは、ろ紙上に吸引捕集された浮遊粒子状物質の増加によって、ベータ線の透過度が比例的に減少することを利用した質量濃度測定法であるベータ線吸収法を用いた測定機器を使用して調査を行います

 今後もお客様のニーズに合わせ調査内容を検討いたしますので、お困りごとがあればぜひオオスミまでお問い合わせください。

調査第二グループ 原口