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海洋プラスチックごみ

 昨今、海洋プラスチックごみのことが話題になっています。以前から台風や、洪水の後に木くずなどが浜辺に大量に漂着していることは知っていましたが、最近はペットボトルなどが大量に流れ着いているそうです。

漂着物と被害

 平成30年7月に環境省が発表した資料によると、主な漂着物の種類は
・ペットボトル
umi.jpg ・漁具
・ポリタンク
・洗剤容器
 などとなっており、これにより想定される被害は
・生態系を含めた海洋環境への影響
・船舶航行への障害
・観光・漁業への影響
・沿岸域居住環境への影響
 となっています。

海洋に流出したプラスチック量

pura.jpg 近年は海洋中のマイクロプラスチック(5mm以下)も生態系に及ぼす影響が懸念されています。マイクロプラスチックは北極や南極でも観測されているそうで、地球規模の汚染になっているようです。魚の体内からビニール袋が出てきたり、マイクロプラスチックが確認されたりと、人々が気づかないうちに汚染が広がっていました。

 陸上から海洋に流出したプラスチックごみの発生量は

1位  中国          353万t/年
2位  インドネシア      129万t/年
3位  フィリピン        75万t/年
4位  ベトナム         73万t/年
5位  スリランカ        64万t/年
20位 アメリカ         11万t/年
30位 日本            6万t/年
(2010年推計 環境省)

 このように1位~4位が東・東南アジアであります。また日本においては太平洋側での漂着ペットボトルの製造国では日本製のものが多く、日本海側では外国製(中国、韓国)のものが多い傾向にあるようです。

 30位というと、日本はあまり関係ないのではないかと思いがちですが、そうではありません。2017年における中国の廃プラスチック輸入量は約700万t/年の内、日本からの輸入が14%を占めているそうです(NHKクローズアップ現代による)。逆に言えば日本の廃プラスチック輸出量100万t/年の内72%が中国へ、9%がベトナムへ輸出されているそうです。

国内での資源循環

 14.png 今回、中国が廃プラスチックの輸入禁止を掲げました。そのため中国以外の輸出国への輸出が急増しているようですが、流出するプラスチックを抑え、国内で循環できるように再生化が活発化すれば、環境にも日本経済にもプラスとなると考えます。

 今のところ海洋等へ流出したプラスチックの回収は難しいので、如何に資源循環を導き出し、河川でも確認されるようになったプラスチックの排出規制を強化し、人々への啓蒙をしっかりやる必要があると思います。

取締役 田口 和男