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運河パレード『河川水質ワークショップ』

 ji2.JPG先日、NPO法人濱橋会主催の第6回横浜運河パレードの一環で『河川水質ワークショップ』を開きました。

 このワークショップは、横浜市を流れる大岡川をもっと身近に感じてもらうために開催し、今年で2回目となります。実は、私は昨年はじめて開催したときの企画部長をしていました。今年は補佐役として運営に携わり、イベント当日は来てくれたお客さまと楽しい時間を過ごさせていただきました。

盛況だった一日

 ryu.JPG当日は快晴。子どもから大人、国外の方まで多くのお客さまにご来場いただきました。

 ワークショップでは"大岡川の水質"に親しみを持ってもらえるように、ハゼやカニ等の生き物展示、顕微鏡での微生物観察、CODパックテストで簡単な実験など、昨年と同じくオオスミらしい内容にしました。

 そして今年はさらに流速計で川の流れの速さを測定したり、化学者になって写真を撮ろうコーナーなど、さらにバージョンアップ!子ども用実験白衣も用意したので、みなさん楽しそうに撮影していました。

段取り八分

 イベント運営の成功のカギとなる準備はグループの垣根を越えたチームとして進めました。イベント当日までの2か月ほどは通常業務の合間に、コンテンツ企画、ポスター制作、物品用意、ワークショップ要員を募ることも必要でした。

 DSC_0327.JPGなかでも苦労したのが微生物さがしです。意外に思うかもしれませんが大岡川を流れている水をザバッと採取しても、微生物はほとんどいないのです。よく探せば見つかりますが、イベント当日にお客さまに長い時間をかけて探してもらうことは現実的ではないです。確実に、且つすぐに微生物が観察できるサンプルを作ることが必要でした。

 そこで微生物の住み着きやすい川底の石の裏や水が滞留している場所から採取しては観察する、を繰り返して確実に微生物がいる水をさがしました。そして、採取してきた川の水を1000rpmの低速設定で遠心分離機にかけ、遠沈管の底に微生物を集めて当日に臨みました。

 努力が実を結び、当日はプラナリアやゾウリムシ、イカダモやミドリムシなどを観察でき「おー、見たことある!」と楽しんでいただけました。

 微生物は川の汚れを浄化してくれる目に見えない縁の下の力持ちです。写真や映像では伝わらない臨場感のある内容にするために生きた微生物を見てもらうことにこだわりました。

おわりに

 DSC03031.JPG今回のワークショップでは大岡川の周辺住民の方とも交流ができました。あるお客さまは、「昔と比べて今はずいぶんときれいな川になった」と感じているそうです。

 たしかにオオスミが2年前から実施している水質測定結果を見ても、ほとんどの項目が環境基準より低い結果が出ています。これは下水処理技術の進歩や下水道整備などのインフラ整備によるところもありますが、周辺住民の方の身近な自然環境を守ろうとする意識向上も一因ではないかと思います。

 今後も、身近な自然環境を守りたいと思えるような河川水質ワークショップを継続していきます。

分析技術グループ 石川