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土壌調査の現場で出会った ~震災の爪痕~

 オオスミでは、土壌の現地調査を首都圏中心に全国各地で行っています。私は、北は秋田から南は福岡まで調査を担当したことがあります。その中でも印象に残ったのが、宮城県本吉郡南三陸町での調査です。 mati.png

震災の爪痕を目の当たりにして受けた衝撃

 ご存知の通り、南三陸町は2011年3月11日、東日本大震災により甚大な津波被害を受けました。町を襲来する津波の激しさと被害の大きさを物語る防災対策庁舎の映像は、皆さんの記憶に深く焼きついている事と思います。

 今、復興は進んでいるのだろか?と思いつつ、後輩とともに南三陸町の現場へ向かいました。町へ行くには山中の道路を抜けなくてはなりません。車中では仕事のこと、プライベートのことなど、いつも通りの会話をしていました。ところが、山中から視界が開けた瞬間、ふいに二人とも黙りこみました。

「津波、凄かったんだね・・・」と、私。
「そうですね・・・」と、後輩。

 テレビを見てわかっていたつもりでしたが、実際、現地へ行ってみて感じる被害の大きさは想定外のものでした。復興は思っていたよりも進んでおらず、多くの被災者は、未だ仮設住宅での生活を余儀なくされていました。

震災前の笑顔の町

 順調に予定していた調査が進み、最終日には震災展示室に立ち寄る時間が取れました。震災以前の写真が展示されており、そこにはあふれる程の活気と、笑顔がありました。
「本当に一瞬で無くなってしまったんだ・・・」
そこには、必死で涙を耐える自分がいました。

 時間がたつにつれ、震災に対する世の中の記憶もだんだん薄れています。 今回、仕事で訪れた南三陸町でしたが、行かなければわからない貴重な経験をさせていただきました。
 今、当たり前のように普通に仕事が出来ていることに感謝します。

調査第一グループ 土谷