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ただ水をとるだけではない、事業所排水の試料採取

 事業所の排水分析の試料を採取するために、月に何度かお客さまの事業所に伺うことがあります。伺う事業所は、金属製品製造業、電子産業関連業、自動車製造業、食品加工業、病院関係など様々です。

事業所排水の分析目的

 各事業所の排水は、水質汚濁防止法や下水道法、各都道府県の条例等により、決められた排水・水質基準等を満たしているかどうか確認する必要があります。満たしていない場合は、早急な対処が必要となるため、スピードと正確性が求められます。

試料採取は重要な任務

 試料採取は、お客様ごとに設備や状況が異なります。saisui1.png例えば、マンホールの場合、底に流れる排水を採取しますが、大きさは直径20~60cmほど、深さも深い物では10m以上あります。ヒモ付きバケツで採取しますが、水に流されないよう、ヒモをしっかりと持ち、離さないように注意が必要です。当然、マンホールにモノを落とさないように気を付けています。マンホールの中に入って作業することは、まずありませんが、万一入る場合は、事前にガス検知器で酸素や硫化水素等の濃度を測定する必要があります。

 除外処理施設の放流槽の場合は、各事業所がpH(水素イオン濃度)処理などした水が外へ放流される直前に溜まる水槽より、ヒモ付きバケツやヒシャクで採取します。saisui2.png除外処理施設はお客様により異なり、同じものはありません。ここで注意する点は、施設内の歩行です。薬品やバケツなどが置かれていることが多く、段差も多いので、足元には特に気を付けます。また、頭上の配管や電気ケーブル、何かのコックやスイッチ、突起物などを引っ掛けないように気を配ります。最も安全な道を探して、採取場所に向かう事となります。

 排水の性状は常に変化しており、その時の水はその時にしか取れません。何かあっても取り直しはできないので細心の注意が必要であり、とても重要な任務だと考えています。

気軽に相談いただけるように

 そのような責任のある作業の中で、お客さまとの会話が私の楽しみです。分析室内にいてはわからない、お客様の事業の様子や排水処理の状況を把握できたり、どのような考えをお持ちの方なのか、どのようなお人柄なのかなどを感じることができます。時には仕事に関係ない趣味やスポーツの話に発展することもあります。
 こういった会話の中で、私やオオスミにより親しみを持って頂き、気軽にご相談いただければ何よりです。

分析技術グループ 片岡