オオスミBLOG スタッフが現場の様子をお届けオオスミBLOG スタッフが現場の様子をお届け

食品リサイクル法改正

 先日、メーカーが破棄した「カツ」を、産廃業者が横流ししていた事件が話題となりました。その後、同じ業者が大手コンビニ・スーパーなどの廃棄食品も横流ししていたことが発覚し、多くの人が「廃棄される食品」の多さに驚かされたと思います。

 実は昨年、そういった食品廃棄物の法律、食品リサイクル法が改正されたばかりです。
 オオスミでは、環境法令に伴った分析や調査を行いますので、私は業務上、法令改正にはつい敏感になっています。現状の業務とは直接関係ありませんが、消費者の皆さんにとっては関心の高い法律と思われますので、ご紹介します。

改正が行われた背景

 食品廃棄物の有効利用や発生抑制を目的として、平成12年に食品リサイクル法は制定されました。
 日本は、多くの食料を海外からの輸入に頼っています。一般家庭から発生するものも含めて、年間約2,800万トン(平成24年度推計)の食品廃棄物が発生している状況です。このうち、本来食べられる(可食部分)にもかかわらず何らかの理由で無駄に廃棄されている食品、いわゆる「食品ロス」は642万トンであり、その内、一般家庭からは312万トン(約50%)もあると推計されているそうです。

消費者も一人ひとりの意識・行動改革が必要

 新たな基本方針では、食品廃棄物の発生抑制やリサイクルを促進するために、私たち消費者も積極的に参加することが必要であるとされています。

 syokuji.jpg具体的には、賞味期限や消費期限の期限表示の理解、冷蔵庫や家庭内での在庫管理、食品ロスの削減に役立つ計画的な買い物、家庭での食べ切り・使い切り、外食における適量な注文、食べ残しの削減など、小さなことから意識や行動変革が重要であると指摘しています。個人の行動だけではなく、食品関連事業者(製造・流通・外食等)も廃棄物の発生抑制や再生利用により取組むことも必要とされています。

日々の生活に密着した法律

 ひとが「食物を食べる」という行動は、当たり前ですが毎日のことであり、疑問に思うことはありません。しかし、今後は企業のみならず、一般の人(私)も、ムダのないように食べ物を食していかなければなりません。また、もし残してしまったらそれを活用して、資源の循環(資源の活用)をしていかなければなりません。
 この食品リサイクル法の基本方針は、意外と日々の生活に密接しているものだと思いました。

 【参考資料】
 『食品リサイクル法 における発生抑制』(環境省)
 『食品ロス削減に向けて ~NO-FOODLOSS PROJECTの推進』(農林水産省)

分析技術グループ 平澤