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水環境モニタリング~採泥器との戦い~

 2011年3月11日に発生した、東日本大震災による東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故より、早くも5年の歳月が流れました。
 本震災により、環境中に放射性物質が放出され、水環境についても放射性物質による環境汚染が懸念されています。オオスミでは、住民の方々の不安解消や、放射性物質の移動把握に必要な基礎的情報等を提供するため、水環境関係の放射性物質モニタリング調査に関わっています。

底質採取は難しい

 saideiki.jpgモニタリング業務では、採水や空間線量測定、土壌採取と調査項目は多岐にわたりますが、その中で一番難しい項目が底質の採取だと思います。岸からじょれん※やスコップで採取できる場合は良いのですが、できない場合はエクマンバージ型採泥器という機材を用いて採取を行います。

 このエクマンバージ型採泥器は、底質の性状がシルト質である場合は簡単に採取ができるのですが、礫質や砂質の場合、開閉口部に噛んでしまったり、稼働部に入り込んだりして上手く閉まらないことがあります。また、河川では流速の違いにより、底質が溜まりやすい箇所と、溜まりにくい箇所が発生し、場所の選定が悪いと、まったく底質の採取ができないこともあります。50cm程の差でも採取量が大きく異なる場合もあり、そこは調査員の腕の見せ所になります。
※じょれん:水を含んだ砂や泥の除去をする道具

業務=トレーニング

 エクマンバージ型採泥器はおおよそ8~12kg程の重さがあり、底質が採りにくい場所では十数回投げ込まなければならないこともあり、肩や腰が悲鳴をあげてきます。この業務に携わっている間は上半身の筋肉が非常に鍛えられるのです。私は普段着ているYシャツが入らなくなりました。

安全と安心のために

 5年経った今でも、まだ多くの方が放射性物質による環境汚染を心配し、不安な思いをされています。今後も皆様に、安全と安心を提供し続けられるよう、気を引き締めて本業務を行っていきたいと思います。

調査第二グループ 原口