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「おもちゃ」と環境教育

 近年の人間活動による経済発展により、人々の生活は物質的には豊かになった一方、自然破壊や地球温暖化等の環境問題が顕在化し、こうした問題への対策が人類を含む生態系の存続にとって急務となっています。こうした観点からも、様々な環境教育の機会を通じて、幼児から大人まであらゆる年齢層が環境問題を学び、積極的に環境保全活動を実践していくことが特に重要となります。

 今回は、環境教育の視点から、物質的に豊かになった「物」としての「おもちゃ」について考えてみました。

物に愛着をもつ

omotya.jpg おもちゃで遊ぶことは、子どもがはじめて物に携わる機会だと思います。
 私の娘達も、「シルバニアファミリー」や「メルちゃん」は宝物で、二歳から小学三年生になった今もずっと大切に使って遊んでいます。

 一方で、ずっと使い続けているものばかりではなく、すぐに飽きてしまい忘れさられているおもちゃも少なくありません。これは、飽きるおもちゃを与えている私の問題ともいえますが・・・。

 物に愛着を持ち、壊れたら修理し、長く使うことを習慣とすることは、物を大切にする気持ちを育み、その経験の積み重ねが環境教育となり、「より良いものを社会に残すというストック型社会・循環型社会」を形成する一助になるものと思います。

循環型社会

 製品等が廃棄物になることを抑制することで天然資源の消費を抑え、環境への負荷を可能な限り低減される社会(「循環型社会」)を形成することを目的として、2000年に循環型社会形成推進基本法が制定されました。

 第三次循環型社会形成推進基本計画進捗状況の第三回点検結果によれば、同法の物質フロー指標である「資源生産性」及び「循環利用率」は、各種リサイクル法等による循環利用量の増加により、長期的には増加傾向にありますが、近年は横ばいが続いているとされており、今後、廃棄物の「発生抑制」及び「再使用」(2R)の推進が確実に必要となる状況にあります。

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「物を大切に!」は大人から

 廃棄物の「発生抑制」及び「再使用」(2R)の推進は、「物を大切にする」というところからはじめるものだと思います。

 子どもは、大人との信頼関係に基づき、自分の取り巻く環境(人的環境、物的環境、自然環境等)に主体的に関わり、大人の行動を真似しながら、様々な環境との相互作用により社会性を身につけていきます。子どもに最も大きな影響を与えるものが人的環境であると考えると、学校だけではなく、家庭も重要な教育の場となります。

 身近にいる大人が、物を簡単に捨ててしまうような環境では、物を大切にするような気持ちを育てることはできないと思います。私自身も、そうでないとは到底言えません。

 環境に携わる技術者である前に、地球に暮らす一人として、家庭の環境教育を担う一人として、物との携わり方について、今一度自分自身の行動を見直す必要があると改めて感じました。
 そして、子どもが大切にしているおもちゃが壊れてしまった時に修理して長く楽しむことができるように、修理の仕方を勉強し、できることから環境教育に取り組んでいきたいと思います。

 調査第一グループ 大貫