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趣味からつながる環境問題

 fukei.JPG私は時々趣味として友人と旅行をしています。行先はさまざまですが、温泉街などの都会の喧騒を離れ、時間がゆったりと流れる場所に身を置くことで心身のリフレッシュを行っています。
 また、昔ながらの町並みなどを眺めるとその地での生活や文化を垣間見ることができ、日本という国がどのように移り変わったのかを直接感じることができます。

旅行先にて

 先日、旅行した際、興味深いものに出会いました。それは鉱山の選鉱場跡地です。選鉱場とは採掘された鉱石から有用な鉱物をより分ける場所のことです。 現在は武骨なコンクリートの骨組みのみが山の斜面に残されただけのものでしたが、実物を見た際にその大きさと物々しさにひどく圧倒されました。
 案内板によると、昭和14年に建設されてから、昭和53年に鉱山が閉山となるまで24時間操業し続けていたために、不夜城とも呼ばれていたそうです。後日調べてみたところ、この地域では江戸時代より銅鉱が多く産出し、昭和50年代まで多くの人が採掘を行っていたことがわかりました。最初に旅行で来た際は山間の小さな町だとしか思っていませんでしたが、鉱山としての歴史の長さに心を打たれました。

今も残る"負の遺産"

 そんな選鉱場ですが、閉山した鉱山からは酸性水や重金属が流れていたため、選鉱場を建設した会社が現在でも坑廃水の浄化を行い続けているようです。
 閉山してからすでに40年以上経過している今でも、残された負の遺産は簡単に消えてはくれないのだと実感しました。

オオスミとしてできること

 日本では1960年代に公害が深刻化し、公害対策基本法が制定されました。その後この法律に代えて環境基本法が新たに制定され、産業公害のみならず地球規模の環境問題や都市・生活型公害に対しても環境保全が行われています。今回遭遇した選鉱場についても、公害訴訟に端を発するものだそうです。
 オオスミでは地球全体の持続可能な社会の実現に向けて、現状の調査だけでなく、対策の提案も行っています。今後も適切な分析や提案ができるよう、邁進してまいります。

分析技術グループ 山岡