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自然と対話する

 分析技術グループでは、いろいろな場所へ採水に行きます。お客様の事業場であったり、河川であったり、公園にも行きます。採水は夏は暑くて冬は寒いので、大変ではありますが、その分面白いこともあります。

「主」との出会い

 私が採水を担当する現場では、枡の扉を開いて、少し高い位置から、紐を括り付けたステンレス製のバケツを下ろして、水を汲み上げるところがあります。上から状況を確認するために覗いてみると、ささーと何か動く影を見つけました。目を凝らしてみてみると鯉でした。

 あらなんでこんな狭いところに住んでいるんだろうと考えつつ、鯉を避けながら採水して、その場を後にしました。私はその鯉に「主」と勝手に名前を付けて、密かに「主」と会うことをひとつの楽しみにしていました。

「主」との別れ

 「主」との関係が始まって約半年のこと。ある真冬の採水日。いつものように採水の枡の扉を開けて、水を見てみると、なんだかいつもと違う様子。いつもは淡く黄色く色付いて透明なはずの水が、なんだか茶色く濁っていました。そしていつもそこにいる「主」がいません。

 その月は降雨が少なかったため水位が下がり、流れ込んだ枯葉などで水が濁ってしまったようでした。水位が浅くなって住みにくくなったのか、「主」は住処を変えてしまったようで、それ以降会えなくなってしまいました。どこかで元気にしているといいです。

新たな仲間

 あれから4ヵ月。新しい仲間が登場しました。ザリガニです。4年間担当している現場ですが、ザリガニに会ったのは初めてです。可能性があるとしたらアメリカザリガニですが、アメリカザリガニが住む水はとても汚いそうです。しかし、ここの水の分析結果はいつもとても綺麗です。突然現れた彼(彼女?)についてひとつ考えられるとしたら、放流です。この採水現場のすぐ下流は、子どもたちの遊び場になっています。そこで飼っていたザリガニを放してしまったのかもしれません。このザリガニがこの場所を住処にしてしまうのか、次回の採水時の楽しみにしておきます。

 水素イオン濃度、生物化学的酸素消費量等のいわゆる"生活系項目"と呼ばれるものは、水の見た目によって大きく値が変化します。しかし、見た目はいつもと変わらないのに、値が変わることもあります。そんな分析を相手にするとき、現場の状況は分析をする上での重要な情報となります。いつもと水の状況が違うということを、住んでいる生き物が教えてくれることもあります。

 最後に、先日現場で出会ったかわいいカエルや鳥の写真を紹介して、結びとします。ここまでお読みいただきありがとうございました。カエル2.png mizuabi2.jpg

分析技術グループ 日野