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恩田川の水について考える

 ranning.JPG私は、天気のいい休みの日にランニングをしています。ランニングは4ルート、その日の気分でどのルートを走るかを決めています。たまには冒険してみたいなと思ったときは、まだ開拓したことのない道を気ままに走ります。ただ、気ままに走りすぎると、道に迷ってしまうこともあるので油断は禁物です。

 私は長津田駅付近に在住しているので、ランニングルートの中で楽しみにしているのは、恩田川を上るルートです。
 恩田川は、東京都町田市と神奈川県横浜市を流れる一級河川で、途中で鶴見川と合流します。恩田川上流方面は川に沿ってソメイヨシノがあり、4月上旬になると、満開の桜を見ることができます。

恩田川について調べる

 恩田川について分析会社の目線で少し調べてみました。恩田川は東京都と神奈川県をまたいで流れる川なので、町田市と横浜市のそれぞれのホームページを確認しました。

 川では利用目的の適応性に応じた、類型(るいけい)が定められており、類型ごとに環境基準が定められています。類型は、 AAからE類型までの6段階があり、基準値はAA類型が最も厳しく、E類型が最も緩くなっています。

 saku.JPGまずは、町田市のほうから見ました。
町田市は、上流であるため恩田川の水域類型は基準の厳しいA類型です。公開している測定結果のうち、pH(水素イオン濃度)とBOD(生物化学的酸素要求量)の2項目※1)を見るとBODは年間を通して基準をクリアしていますが、pHはほとんどの月で基準を上回っていました。
※1)町田市2018年度河川水質調査結果

一方、下流側の横浜市では、恩田川の水域類型は基準の緩いD類型です。pHについては年間を通して基準をクリアしていますが、BOD※2)については基準を上回っている月がありました。
※2)横浜市 過去12か月(2018年~2019年)の河川の月平均値の推移


 何故、同じ川なのに結果が異なるのか?
 それは、様々な要因が絡んでいます。

 上述したように、類型により環境基準が異なること、川の上流側と下流側の違い、川からサンプリングした時期や時間帯の違い、サンプリング場所の違いなど。他にも、サンプリングしたときの生活排水や工場排水などによる外的要因により、いつもと川の性状が異なっているときも可能性としてあります。
 このような違いにより、同じ川でも分析結果が異なるのです。

身近な水について

 現在、私は分析技術グループで生活系項目(pH、BOD、COD、DOなど)を担当しているため、身近な川についての現状を知ることができ、とても勉強になりました。
また、今まで目にしたことのなかった市のホームページの水質の環境結果を見るいいきっかけにもなりました。

 ランニングコースでまた新たな道を開拓し、自分の視野を広げるきっかけを作っていきたいと思います。ただ、迷子になって帰ってこれないなんてことがないように!

分析技術グループ 二宮