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持続可能:Sustainableをつなげていく

SDGsのその先を垣間見る

 SDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)のGs、英語では「Goals」
これを日本語訳で「目標」と訳しています。
 Goalsが目標。はじめに聞いた時は、なんだかしっくりきませんでした。50メートル走のゴール、目標、到達点、着地点。大きなずれはないのかもしれませんが、もっと合う言葉があるのではないかと思っていました。

数年前の小学校高学年向け夏休み推薦図書

dokusyo.png『100年後の水を守る~水ジャーナリストの20年~』
橋本淳司著 文研出版

この本は数年前の小学校高学年向け夏休み推薦図書です。この本のタイトルは、100年後の水について「考える」ではなく100年後の水を「守る」のです。

 現代社会に生きる子供たちは今まさに起きている環境問題の中で成長し大人にならなければいけない。他人事ではない。自分の問題として取り組むことが当たり前と納得。読み手の受動的ではなく能動的な思考を筆者が望んでいるのだと、感じました。

人間らしい暮らしをするために一日に最低限必要な水の量

 本のなかで、橋本氏が小学校で行う水の授業が紹介されています。
 日本人の生活用水の平均使用量は約300リットルです。世界で「人間らしい暮らしをするために一日に最低限必要な水の量」は50リットルとされています。授業では6年生の子供たちが「ひとり一日50リットルの水」での生活を体験します。
 毎日ふんだんに水を使って生活している日本の子供たちには、かなりの難題です。

 橋本氏の導きで子供たちは考え、工夫して50リットルの水を有効に使う努力をします。この経験が水の大切さや、自分たちはどうすべきなのかということを心に留めるチャンスになります。

変わりゆく社会 変わらない思い つなげていくこと

 30年前の小学生と今の小学生が受ける教育の差はすごいものです。
 酸性雨が問題提起された時代の小学生は雨が降ると急いで傘をさし「酸性雨だ。はげになるぞ。」と騒いでいたものです。その時代の子供が今、大人になり環境問題に取り組み、子供たちに伝えています。

 現代社会の子供たちは環境問題について、英才教育を受けているように思えます。そして今の子供たちが大人になった時代の100年後の水を守るのです。その先も、さらにその先もつながっていくのです。そのような教育がまさに『持続可能』なのかもしれません。

 状況が変わっていく中で、環境問題に取り組むこと、それはゴールではなく目標をもってつなげていくこと。そこにSDGsの持つ意味があるのかもしれません。

 分析技術グループ  矢澤