材料の不具合調査・解析サービス

材料の不具合、故障、破損破壊でお困りではないでしょうか。
工業製品や構造物の構成部品等に繰返し応力や、衝撃的荷重が負荷されれば破壊に至る場合があります。
オオスミでは、破壊破面、破断面、素材の物性等のあらゆる角度から詳細に調査解析し、事故に至った原因を究明致します。

破壊とは?(物が壊れる現象について)

破壊とは、材料の持つ許容応力を超えることで壊れる現象をさします。

また、瀬戸物やガラスなどの様に一気に割れる『衝撃破壊』、腐食などの環境的要因による『静的・環境破壊』、素材の許容応力以下の応力を絶えず受け続けて破壊される『疲労破壊』に分類され、全体の約80%を『疲労破壊』が占めています。

しかし、疲労破壊の引き金(起点)となる水素脆化、表層での粒界すべり破壊等が主原因となります。
オオスミでは、真の原因となるその起点に注目して調査を行い、対策案を提示します。

調査の流れ・オオスミの調査の特長

調査・解析事例

ボルト折損調査、樹脂製品の破損調査、プロペラ破損調査、金属板の塗装剥離、ばね、ラック、ケーブル被覆、給水管、配管など

sem.png

原付ミラーの破損調査事例 ~破損の原因は?~

原付ミラーが破損。原因は?

破面マクロ観察後、さらに詳細SEM観察を実施

SEM像※観察

  • alt文A:疲労破面
    (ストライエーション)
  • alt文B:延性破面
  • alt文C:延性破面

雨風の影響で塗装やメッキ層が剥がれ落ち、
素材近傍まで腐食進展した。
また、走行時の繰返し応力を受け疲労破壊に
至ったことが判明した。

※SEM-EDSは、日本でも数少ない、1,000,000倍というナノの世界までをモニターに映し出す、最新鋭の電子顕微鏡です。

観察例(鉄鋼材料・鋳鉄・非鉄金属・プラスチック材料)

【鉄鋼材料】

<破面SEM観察例>
<断面ミクロ組織観察例>
<腐食進行による破壊例>
応力腐食割れ(SCC/Stress Corrosion Cracking)破壊断面図応力腐食割れ(SCC/Stress Corrosion Cracking)破壊断面図(SUS304)

【鋳鉄・非鉄金属・プラスチック材料】

<破面SEM観察例>
<断面ミクロ組織観察例>
<塗膜層の断面観察例>
塗膜層の断面観察例

技術者紹介

技術資料

弊社技術者にて作成しました技術資料を公開いたします。

タイトル塗膜剥離の原因調査 Investigation of the cause of paint peeling(PDF)
執筆者 :Osumi Corporation. Namie Suzuki

Q&A

部品が壊れたら、先ず最初に何を確認すればいいでしょうか?
部品にどのような素材が使用されているかを確認致します(ミルシートでの確認等)。
例:SS400、S45C、SUS304、6000系Al、鋳鉄、Al・Cu鋳物等々の素材名を確認下さい。
部品等が壊れた場合、どのような調査を行うのでしょうか?
①機械の使用環境を確認します。(運転状況、使用環境等々)
②破壊破面の形態から破壊の起点、破壊モードを調査します。
③破壊部の断面観察から、素材の異常有無を調査します。
④素材の物性を調査します。
⑤素材の化学的成分分析を調査します。(JIS規格との照合)
使用環境を確認することで、どのようなことが考えられますか?
運転状況、破壊に至るまでの経過時間で、破損部に過大な応力が負荷されたことが考えられます。また回転軸では軸の偏芯(ベアリング異常)が想定されます。
使用環境では、沿岸地区、化学工場、道路近傍等々においては腐食起因で破壊に至る場合があります。
破壊の破面調査では、どのようなことが解るのでしょうか?
破面の特徴には以下のパターンがあります。この破面を確実に調査することで破壊に至るモードが判明します。
・繰返し受ける応力(一定サイクル、不定期サイクル)負荷により破壊した場合は、ストライエーションと呼ばれる縞状の紋様が確認されます。これを疲労破壊破面と呼びます。
・常に引張応力(クリープ応力)を受け、この応力が素材の許容応力を超え破壊に至る場合は、ディンプルと呼ばれるゴルフボール表面のような紋様が確認されます。これを延性破壊破面と呼びます。
・衝撃的過大荷重を受けて破壊に至った場合は、素材の粒界を起点にへき開的に割れるパターンと粒界に破壊が伝播し割れるケースがあります。これらを脆性破壊破面と呼びます。
・また脆性破壊の中で、水素が起因して破壊に至る 擬へき開破壊破面とに区別されます(下図参照)。

断面でのミクロ組織観察では、どのようなことが解るのでしょうか?
組織現出には、試料を樹脂に埋込し研磨し組織を現出させます。(エッチング)
調査目的は、異常組織・結晶粒の異常有無、表面硬貨処理の正常適用確認を行い材料の健全性を調査します。(下図、代表的断面ミクロ組織参照)

素材の物性試験はどのような方法ですか?
素材の物性試験には、引張試験、曲げ試験等の静的試験と、疲労試験があります。試験はJISに準拠した試験片を用い行いますが、部品からでは試験片の採取は困難なことから、断面からマイクロビッカースで素材の硬さを測定し、その硬さから引張強度を換算する方法が一般的です。
素材の化学分析の目的は何でしょうか。また分析はどのような方法でしょうか?
分析の目的は、部品の設計仕様に合致した素材(JIS準拠)が用いられていたかの検証です。もし仕様と違った素材が使用されていた場合、破壊に要因になることも考えられます。
分析方法は、鉄鋼材料であれば蛍光X線、ICP分析法等で行い、樹脂系ではFT-IR等を用います。
報告書はどのような形式でしょうか?
オオスミの報告書は、調査内容・調査機器の開示、調査結果の詳細、結果結果の解析を網羅した結論をまとめとして推定致します。
また、考えられる対策案等々も提示します。
調査完了後の説明は可能でしょうか?
調査完了、報告書完成後は、お伺いまたは来社いただき調査の詳細をご説明させていただきます。
破損調査日数(納期)はどれくらい必要でしょうか?
一般的な破損調査日数(例えば、ボルトの破壊、ギアの破損等々)は、成約試料拝受後約10営業日を予定しています。
なお大型試料に関しては調査部位採取の切断が必要のため、別途ご相談のうえ進めさせていただきます。