シックハウス測定で指針値を超過しないためのポイント
新築工事や改修工事後にシックハウス測定(室内空気環境測定)の実施が特記仕様書などで求められる場合があります。
測定結果が厚生労働省の室内濃度指針値(以下、「指針値」)以下であれば問題ありませんが、超過した場合は原因調査や対策、指針値を満たすまで測定を繰り返すことになり、工事工程へ影響を及ぼす可能性があります。
そのため、1回の測定で指針値をクリアできるよう、測定に当たっては事前準備が重要となります。
1.指針値を超過する原因
指針値を超過する原因は、大きく分けて二つあります。
一つは他に行っている作業などの影響を受けて超過するケース、もう一つは、室内に発生源があるケースです。
前者は、対象室内に発生源となる仕上げなどは少ないものの、廊下や別の部屋において有機溶剤が含まれる材料を使った作業を行ったり、有機溶剤を含む資材の置場(ネタ場)が近くにあったりすることで、廊下などの空間や換気設備を通じて室内が汚染され、指針値を超過するケースです。
一方、後者は室内に有機溶剤を使用した材料を用いているために、そこから少しずつ有機溶剤が揮発することで室内の有機溶剤の濃度が上がっていき、指針値を超過するケースです。
2.外的要因による指針値超過を防ぐポイント
室内に発生源となる仕上げが無い場合は、
シックハウスの測定を行う日は、他の作業を一切行わないのが理想ですが、それが難しい場合は、有機溶剤を用いた作業を行わないで済むように作業調整をしていただくことが必要です。
避けるべき作業としては、
また、有機溶剤系の資材は、事前になるべく屋外などの影響の少ない場所に移動しておくことをおすすめします。
屋内に置いておくと揮発した有機溶剤が換気されにくいところに滞留したり、壁や床に吸着して室内の濃度が高くなったり、廊下などの空間を伝い扉の隙間から部屋に影響を及ぼしたり、循環式の換気により汚染された空気が再び部屋に給気される場合などが考えられます。
作業調整や作業者への周知ができていれば防げるケースも多く、このような指針値の超過は『もったいない』と思います。
3.室内に発生源がある場合の対策
塗料、シンナー、接着剤、タッチアップなど、有機溶剤を含む資材を使って室内の仕上げをしている場合は、使用した塗料や接着剤などをよく乾燥させ、室内をよく換気しておくことが重要です。
特に注意したいのは、有機溶剤を使用した箇所を床や壁、天井で覆う場合です。
乾燥、換気が不十分な状態でそれらを設置してしまうと、床下や壁裏、天井裏に有機溶剤が充満した状態になってしまいます。充満した有機溶剤は、じわじわと室内に出てくるため、室内空間だけを換気してもなかなか濃度が下がりません。有機溶剤を使った箇所を覆ってしまう場合は、十分に乾燥させてから覆うようにしてください。
また、塗装や塗り床は施工面積が大きく、有機溶剤の使用量が多いため、乾燥には時間がかかります。
測定直前に実施してしまうと有機溶剤が抜け切らずに指針値を超過してしまう可能性がありますので、施工面積が大きい塗装や塗床の作業についてはできる限り早い段階で終了するように工程を組み、測定前には十分に換気を実施しておきましょう。
4.指針値を超過しないためのポイント
以下のポイントを踏まえて事前準備を行いましょう。
5.指針値を超過してしまったら
指針値を超過した場合は、再測定までに化学物質の濃度を下げる必要があります。
一番簡単な方法は換気の実施です。
窓や扉を開けるほか、機械換気や送風機を使って強制的に換気をすることで濃度を下げていきます。
それでも改善しない場合は、
そのため、事前準備をしっかりと行っていただき、指針値を超過しないようにすることが大切です。
また、さまざまな対策をしてみたけれど、なかなか濃度が下がらないといった場合は、根本原因を見つけて対処する必要があります。
オオスミでは、そのような場合の原因調査や改善対策についてもアドバイスしております。
お困りの際は、ぜひご相談ください。