イメージ画像出典:厚生労働省 労働安全衛生法の新たな化学物質規制より

 皆さまの工場や事業所では、化学物質の「リスクアセスメント」を正しく実施できていますか。

 2022年の労働安全衛生規則等の改正により、日本の化学物質規制は「国による一律の管理」から「事業者による自律的な管理」へと大きく舵を切りました。2024年4月の完全施行から約2年が経過し、現場に適した対策を事業者自らが決めて実施することが、当たり前に求められる時代となりました。

 この「自律的な管理」の基盤となるのが、事業者自身で行うリスクアセスメントと、それに基づくばく露低減措置です。さらに、2026年10月には「確認測定」における測定方法の決定などを、必要な講習を修了した作業環境測定士が行うことが義務化されます。

 今回は、その中でも特に重要となる「濃度基準値設定物質」と「確認測定」の概要、そして法改正のポイントについて解説します。

「濃度基準値設定物質」とは?

 化学物質のばく露低減措置を行うにあたり、厚生労働大臣が「この濃度以下に抑えれば、労働者の健康障害が生じるおそれがない」と定めた物質を「濃度基準値設定物質」といいます。これはリスクアセスメント対象物(約1,500物質)の全てではなく、一部の物質に設定されているものです。
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 屋内作業場において、労働者のばく露程度をこの「濃度基準値以下」にすることが、新たに義務化されました。

 そのため、まずはリスクアセスメント(リスクの見積り)を実施します。
 その結果、「労働者がばく露される濃度が基準値を超えるおそれがある」と判断された場合は、実際にどの程度ばく露しているかを調べる「確認測定」を実施しなければなりません。

「確認測定」はどうやって行う?

 「確認測定」は、従来の作業環境測定(部屋全体の濃度を測るもの)とは異なり、「労働者個人が実際にどの程度ばく露しているか」を測定する必要があります。
 具体的には、労働者の呼吸域(顔の前面側、両耳を結んだ半球状の範囲)に機器を装着する、「個人サンプラーを用いた個人ばく露測定」という方法で行います。
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 測定時間は、連続した8時間、または労働者が対象の作業を行う全時間において実施する必要があります。また、捕集に使用する機材は測定する物質によりさまざまとなりますので、物質に合った測定方法を選定する必要があります。

【重要】2026年10月より「確認測定」のルールが変わります

 これまで、この確認測定の計画や実施には、特別な資格は必要ありませんでした。 しかし、測定結果が労働者の健康に直結する重要なものであることから、測定精度を担保するためにさらなる法改正が行われました。

 これにより、2026年10月からは、「必要な講習を受講した作業環境測定士」が測定方法の決定等を行うことが義務付けられます。

 法改正の施行が迫る中、「自社だけで正しい測定方法を決定し、実施する」ことへのハードルは、さらに高くなっているのが現状です。
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 調査第二グループ 永井