251029tahata1.jpg マスクフィットテストとは、呼吸用保護具(マスク)を使用する際に、サイズや使用方法・機能などの性能が正しく発揮されているのか、面体と顔の密着性に問題が無いかなど、マスクの使用状況が良好であるかを客観的に判断するために行うものです。

2023年4月に特定化学物質障害予防規則が改正され、マスクフィットテストの実施は事業者の義務となりました。 

 

義務化の背景

 「見た目は正しく着けているのに、実はマスクの隙間から漏れていた」そんなリスクを防ぐため、厚生労働省は「呼吸用保護具の適正な使用等に関する指針」で、マスクフィットテストを基本的な安全管理措置として定めています。
 対象となる作業では、1年以内ごとに1回、呼吸用保護具のフィットテスト実施が必要です。

【対象作業】

  • 金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場(2023年4月から義務化)
  • 作業環境測定の結果、第三管理区分に区分された事業場(2024年4月から義務化)
  • 化学物質のリスクアセスメントに基づくリスク低減措置として、呼吸用保護具を労働者に使用させる事業場(行政通達)
  •  ※対象は「面体を有する呼吸用保護具」のみ。ルーズフィット形は対象外です。

     最近では、化学物質や粉じんを扱う現場に限らず、感染症対策が求められる医療・介護の現場でもフィットテストの導入が進んでいます。この分野での取り組みや事例については、次回のブログで詳しくご紹介します。

    マスクフィットテストの方法は2種類

    マスクフィットテストには、「定性法」と「定量法」の2つの方法があります。

  • 定性法:甘味や苦味などを感じる試薬で漏れを感知する方法 
  • 定量法:専用の測定器でマスク内外の粒子濃度を比較し、密着度を数値化する方法

  • いずれの方法でも合否を判定し、結果を記録・保存します(保存期間:3年間)。
    不合格の場合は、マスクの種類や装着方法を見直して再テストを行います。

    健康障害を防ぐために

    251029tahata2.jpg マスクフィットテストは、作業者の健康を守るための基本であり、重要な安全対策です。
     法令対応だけでなく、安心して働ける職場づくりのためにも、定期的な実施と継続的な改善をおすすめします。

     オオスミでは、労働衛生や化学物質管理の専門家が、現場環境に合わせたマスクフィットテストを実施しています。原因の特定から改善まで丁寧にサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。 


     調査第二グループ 田畑