funjin.jpg 工場や建設工事などの現場では、作業に伴って粉じんが発生することがあります。そのため、周辺環境への影響を確認する目的で、状況に応じて粉じん調査が行われます。しかし、粉じんには、ヒュームやアスベストなどさまざまな種類があり、どのように調査しているのかは、あまり知られていません。

 本シリーズでは、粉じん調査の代表的な方法についてご紹介しており、今回はその一つである浮遊粒子状物質(SPM)の調査方法についてご紹介します。

粉じんとは

 粉じんとは、空気中に舞い上がる細かな粒子のことを指します。例えば、風で舞い上がる土ぼこりや、工事現場で発生する粒子、工場の工程で発生する粒子などがこれにあたります。

 日本産業規格(JIS K0216)では、粉じんは 「物の破砕、選別、その他の機械的処理、又は堆積物の飛散に伴い発生する粒子状物質」と定義されており、自然起源と人為起源のものに分けられます。自然起源としては、風で舞い上がる土壌粒子や、海水の蒸発に伴って発生する海塩粒子等があり、偏西風に乗って国外から移流し、国内でも多く観測される黄砂がその代表例です。

 一方、人為起源の粉じんには、固定発生源(工場・事業場等)と移動発生源(自動車、船舶、航空機等)に由来する粉じんがあります。工場・事業場等の工程で発生するばいじんや、自動車走行で発生する道路粉じんがその一例となります。

 粉じんの中には、このほかにも、金属の加熱工程などで発生するヒュームや、建材などに含まれるアスベストのように、発生源や性質、調査・管理方法が大きく異なるものも含まれます。

SPMとは

 SPMとは、大気中に存在する粉じんのうち、直径が10µm(0.01mm)以下の細かな粒子のことを言います。粒子の直径が10µmより大きい場合には、呼吸の際に鼻の粘膜などに吸着され、肺に到達しにくいとされています。

 しかし、SPMの粒子はそれよりも細かく、呼吸器系疾患等の健康影響を引き起こす可能性があります。そのため、SPMは定期的に観測する必要があります。

SPMの測定原理と調査方法

260318‗kawaahata2.png オオスミでは、SPMに関して、β線吸収方式の自動測定器を使用し、調査測定を行っています。β線吸収方式は、大気中のSPMをろ紙上に捕集したうえでβ線を照射し、どれだけ透過するかでSPMの質量濃度を求める方式です。

 調査の際は、現場で組み立てた小屋内に測定器を設置し、大気中に向けて接続したホースから試料大気を測定器内のろ紙に捕集して測定を行います。測定はすべて測定器内で行われるため、現場では測定器の故障に繋がらないよう、温度及び湿度管理に注意するとともに、測定期間中は毎日巡回を実施しています。

 巡回では、測定地域周辺の大気汚染常時監視測定局(自治体が常設している測定局)の測定結果と比較し、相関関係性などを確認しながら調査を行っています。

粉じん調査のポイント

 SPMの調査では、さまざまな要因から想定外の結果が得られることも少なくありません。そのため、測定値だけでなく、測定場所の周辺環境や発生源の状況も踏まえて結果を評価することが重要になります。

 オオスミでは自治体の環境調査をはじめ、解体工事や開発計画に伴う環境モニタリング、解体工事や土壌対策工事に伴う粉じん測定を行っています。測定場所の周辺状況などを踏まえて原因を追究し、原因特定につなげてきた実績も多くありますので、ぜひお気軽にご相談ください。

参考
① コラム「粒子状物質について」〔国立研究開発法人国立環境研究所〕
  https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/05/06.html
② 粒子状物質の特性について〔環境省〕
  https://www.env.go.jp/council/former2013/07air/y078-02/mat02-1.pdf
③ 用語解説:浮遊粒子状物質(SPM) 〔国土交通省〕
  https://www.ktr.mlit.go.jp/chiba/jihaikyoku/yogo/spm.htm
④ 環境大気常時監視マニュアル 第6版 〔環境省〕p83
  https://www.env.go.jp/content/900402537.pdf


 調査第二グループ 川畑