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 建設工事で発生する『建設発生土(通称:残土)』は、国により再生資源と定められており、再利用が促進されています。しかし、残土が汚染されていた場合、土壌汚染の拡散につながるおそれがあります。

 さらに、無秩序な堆積による崩落事故も発生していることから、全国の自治体で条例(通称:残土条例)が制定されています。そのため、残土を搬出する際には、受入地の基準を満たしているかを確認するための調査・分析を行う「残土調査」が必要となります。

 首都圏では、千葉県・栃木県・茨城県などで残土条例が制定されており、自治体ごとに残土調査の方法が定められています。その中でも受入量が最も多いと思われる千葉県では、残土調査として5,000㎥につき1検体の分析(30項目)を行います。さらに、採取深度は掘削する最深度(根切り)の試料を含む5地点を採取し、等量混合する必要があります。このため、根切深度が深い現場では、ボーリングによる調査が実施されるケースがあります。

 今回は残土ボーリングのメリットと千葉県の条例(通称:千葉残土)の最新動向についてお話ししたいと思います。

残土ボーリングのメリット

 残土ボーリングのメリットとしては、以下のことが挙げられます。

    ① 最大で40m程度の掘削が可能
    ② 掘削範囲全体を一度に調査できるため、汚染の有無を早めに把握できる
    ③ ボーリング調査の分析結果証明書の有効期限がバックホウ等より長い
    (バックホウ:6ヶ月 ボーリング:20ヶ月)
    ④ 採取深度が正確に採取できる
    ⑤ 狭い箇所や地下水位が高い場合でも調査が可能

 東京都内や湾岸地域では、自然由来の要因により基準値を超過するリスクがあります。万が一汚染土として扱うことになれば、処理費の発生による工事費の増大や、工期延長など、工事計画に影響を及ぼすおそれがあります。そのため、こうした地域において残土ボーリング調査を実施するメリットは、特に大きいと考えられます。

千葉残土の最新動向

 千葉残土の評価方法については、図のとおり、従来は5,000㎥ごとに分析を実施し、基準に適合している層は搬出可能と評価されていました。しかし最近の事例では、基準不適合となった層に接する上下の層についても、搬出不可と判断されています。そのため、深度方向の層厚を細分化するなど、調査計画を立案する際には十分な注意が必要です。
alt文千葉残土の従来の評価方法
(断面図)

alt文千葉残土の最近の評価方法
(断面図)

 オオスミでは、自然由来の可能性がある土層も考慮した、残土ボーリング調査の計画検討も行っております。ぜひご相談ください。 


 調査第一グループ 藤平