白い粉・赤い付着物の正体は?異物(不明物)調査の事例をご紹介

弊社は環境分析・調査・コンサルティングを主な業務としているため、異物調査においても、食品・製品中の混入物よりも、工場、住居、施設、配管などの建築構造物内に発生した堆積物や付着物、土壌中の埋設物など、環境中に存在する異物(不明物)に関するご相談を多くいただいています。
それらの事例の一部を紹介したいと思います。
住居中の白色異物
住居中の白色異物は、建材由来と住民の生活様式由来に分かれます。建材由来で多いのは、石膏ボードの成分である二水石膏によるものです。住民の生活様式由来で多いのは、食品、衣類に関連したものではなく"皮膚片"です。
住民にとってはあまり認めたくない事実かもしれませんが、人の皮膚はターンオーバーによって日々生まれ変わっているため、皮膚片が室内で発見されること自体は不思議なことではありません。
ただし、住居者の皮膚疾患が関係している可能性もありますので注意を払う必要性があります。また、皮膚片はダニなどの餌になるため衛生的には良くありませんが、異物の正体が判明することで、原因不明だった不安の解消につながるケースもあります。
住居内で発見された白色異物例水中の赤橙色異物
自然界の影響を受けやすい地下水・浸出水等に関連した赤橙色異物で多いのは土壌微生物の一種である鉄バクテリア(レプトスリックス属、ガリオネラ属など)です。鉄バクテリアは、地下水や配管などで赤茶色のヌメリや付着物として発見されることがあります。
鉄バクテリアの特徴は、それらが形成する鞘にあり、それらは人畜無害といわれていますが発見された場所(施設)によっては微生物腐食を起こす可能性があるため、早めに除去する必要があります。また、鉄バクテリアは鞘の形態及び元素組成を確認することで同定することができます。
また、存在環境では水面に油膜状の膜を形成している場合(指で押すと割れる)もあり、水量が少ない場合は、バイオフィルム状の粘性のある物質とともに存在している場合もあります。
その他の赤橙色物質では施設内で発見された腐食生成物(錆)である場合もあります。その場合、錆に関係してない元素の存在から、由来を推定することが可能な場合もあります。腐食生成物の種類によっては、それ自体の特徴から由来を推定できる場合もよく見受けられます。
雨水路で発見された赤橙色異物例コンクリート構造物上の白色異物
コンクリートの表面に付着・堆積している白色物質で多いのは白華現象(エフロレッセンス)による炭酸カルシウムです。それらは水に不溶であるため、洗い流すと配管を閉塞させる可能性が生じるため注意が必要です。
さらに注意が必要なのは、フレーク状で存在する硫酸ナトリウムです。それらはコンクリートを浸透し表面で乾燥・結晶化している場合があり、コンクリート劣化に繋がる場合があります。それらは水に溶けますがコンクリート劣化に影響するため洗い流さないようにしましょう。
コンクリート構造物上で発見された白色異物例異物(不明物)は、調査することで由来や原因がわかり、安心・安全につながるケースが多くあります。また、場合によっては設備劣化や衛生上のリスクを早期に把握できることもあります。
私自信も長年、異物(不明物)調査に携わる中で、調査結果を通じて依頼者へ「安心」と「安全」を提供したいという思いで業務に取り組んできました。時として、依頼者にとって認めたくない事実の場合もありますが、状況を把握することで的確な対策ができ、将来的に良い結果になると考えています。
異物(不明物)を発見し、不安を抱かれた際は、放置せずにご連絡ください。スタッフ一同、状況に応じた調査・分析をご提案いたします。