アスベスト含有の外壁仕上塗材の飛散防止対策についての通知が環境省及び厚生労働省より以下の通り発表されました。
・石綿含有仕上塗材の除去等作業における石綿飛散防止対策について
(平成29年5月30日 環境省)
・石綿含有建築用仕上塗材の除去等作業における大気汚染防止法令上の取扱い等について
(平成29年5月31日 厚生労働省)
この通知によりアスベスト除去工事の方針が明らかになりました。
しかし、このアスベスト除去工事の費用は、建物持主が数百万から数千万円を全額負担することにより経済的な負担がかかり、大変問題があると思います。
外壁仕上塗材 例⇒
アスベストは、飛散性の高いものからレベル1(吹付材等)、レベル2(保温材・断熱材・耐火被覆材等)、レベル3(成型板等)となっています。このレベルによりアスベスト工事の届出の有無、工事方法、産業廃棄物の処理方法が異なり、工事費用が大きく変わります。
現在、国土交通省では、アスベスト調査とアスベスト除去工事に対し、助成金を負担しています。対象はレベル1の吹付材(吹付石綿、吹付ロックウール、パーライト吹付、ひる石吹付)の内、吹付石綿、吹付ロックウールのみが対象になっています。
この助成金は調査に最大25万円まで、工事は国が1/3、地方地自体が1/3であり最大300万円までとなっているのが一般的です。現時点では、外壁仕上塗材は助成金の対象外ではありますが、除去工事の方針が明らかになった今、対象範囲の再検討が必要ではないかと考えます。
建物持主から見ると、建物竣工時はその当時の法律・条例(建築基準法等)に準拠して建築したのに、数年後にアスベスト等の規制対象物質の健康被害が判明し、その除去費用を現在の建物持主が全額負担では、大変な負担となります。
ぜひ、誰もが安心して暮らせる住宅環境となるよう適切な対策・除去が進むよう願っています。
アスベスト調査の詳細については、オオスミHP『アスベスト調査』をご覧ください。