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サンプルの見た目、におい、触感

2021/10/06

 オオスミでは工場排水や河川水、土壌など多種多様のサンプルの分析を行っています。
 同じ地点から採取を行った工場排水でも、日付や時刻が異なれば、見た目やにおいが異なることもあります。このサンプルの見た目などの性状から得られる情報を有効活用しつつ私たち分析者は普段の分析を行っています。

 今回は今まで私が経験してきた、サンプルの性状と分析についての関係性についてご紹介したいと思います。

水のサンプル

ブログ挿入写真-鈴木.JPGのサムネイル画像 COD(化学的酸素要求量)の分析では、主に有機物の量を測定しているため、例えば排水などの水のサンプルでは、見た目が濁っていたり、食品や洗剤などのにおいがすると分析値が高くなることが多いです。これらの見た目やにおいなどの情報と過去データを基に分析値の予想を立て、使用するサンプルの量を決めます。この分析値の予想を立てるために行う日頃のサンプルの観察がとても重要になります。

 また、無色透明で無臭のサンプルであっても、攪拌した際に泡が発生したりすると分析値が高くなることがあるため、見た目やにおい以外にも注意して観察しなければなりません。

土壌サンプル

 私が新入社員の頃は土壌サンプルを分析することが出来るように、土の中の成分を水に抽出する、検液作成という工程を担当していました、この工程でも土の性状を参考に業務に取り組んでいました。
 この工程は、
tuti.png ①土サンプルの乾燥→②粉砕→③成分を水へ抽出→④ろ過と進行していくのですが、④ろ過 にかかる時間はサンプルによって異なります。

 長くかかることが予め把握できていないと、予定通りに作業が進行出来ないこともあります。当時一緒に働いていた大ベテランの従業員さんは土の見た目と手触りだけで、ろ過にかかる時間をある程度予測することが出来たため、その意見を参考にしつつ予定を組んでいたので、新入社員でもある程度円滑に業務に取り組むことが出来ました。

重要なのは観察

 私自身経験してきた分析はまだ少ないですが、他の分析項目にも、サンプルの特徴とその分析結果についての関係があるものは沢山あると思います。
 重要なのは日頃の観察であり、サンプルに普段と違うところがあったら、お医者さんのように適切な対処を行うことだと思います。今後も観察を欠かさずに分析に取り組んでいきたいと思います。

 分析技術グループ 鈴木(圭)