アスベストを含む建材は1950年代から使用され、1960年代の高度成長期に多く使用されていましたが、アスベストが原因でじん肺や肺がん等を起こす可能性があることから、1975年に吹き付けアスベストの使用が禁止されました。その後も、建材などで使用されていましたが、今では、原則として製造等が禁止されています。
現在、使用から50年以上が経過し、その時代の建物の立替時期となっており、今後、建築物の解体・改修等が増えると考えられます。また、幼稚園や小中学校などで、煙突に断熱材として使われていたアスベストが飛散し、児童や生徒らが吸い込む恐れのある施設があるというニュースもあり、市民の関心も深くなっています。
さらに平成25年7月には「建築物石綿含有建材調査者」の資格制度ができたと国土交通省から発表がありました。日本で初めての石綿調査の公的資格制度で、石綿除去業や解体工事業、石綿に関する測定・分析業などに従事する方が受講しています。
<目的>
建築物の通常の使用状態における石綿含有建材の使用実態を的確かつ効率的に把握するため、中立かつ公正に正確な調査を行うことができる建築物石綿含有建材調査者の育成を図る
<受講資格>
建築に関する知識及び経験を有する者
大学や短期大学等において、建築学等の課程を修めて卒業した後、建築に関し一定以上の実務経験を有する者
建築や建築行政に関し一定以上の実務経験を有する者等
<講習の内容>
◆講義(11時間)
第1講座
建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識
第2講座
石綿含有建材の建築図面調査
第3講座
現場調査の実際と留意点
第4講座
建築物石綿含有建材調査報告書の作成
第5講座
成形板等の調査
◆実地研修
石綿含有建材が用いられている実際の建築物にて、演習の実施。
◆修了考査
筆記試験、口述試験、調査票試験
合格基準は、筆記試験、口述試験、調査票試験それぞれの試験の6割以上の得点が合格、3種全てに合格すると修了証明書等が配布されることになっています。
専門性が高い資格ですが、オオスミには合格者が1名います。今後は必要とされる場合が増えてくると考えられるので、私もいつか挑戦したいと思います。
【参考資料】
・国土交通省「建築物石綿含有建材調査者制度等について」
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000050.html