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土壌分析の要「検液」のレシピ

 オオスミが行っている土壌汚染調査で採取した土壌は、オオスミ本社のラボで分析しています。
 この土壌の分析は、土壌汚染の状況の把握のため平成14年に施行された「土壌汚染対策法」に基づき、検液作成から始まります。
 実はこの検液作成の工程は非常に重要です。誤った作成方法で検液を作成すると、正確な分析が出来ても、正しい分析結果を求めることは出来ません。

検液作成の4つの工程

検液作成の方法は4つの工程に分かれています。

①風乾作業
まず初めに、土壌試料を自然に乾かす作業から始まります。
tuti.jpg 採取されてきた土壌試料は土質や含水量(土壌試料に含まれる水分量)が試料によって様々で、2日間この風乾作業に取り掛かることもあります。

②粗砕・篩分け作業
次に、風乾された試料を粉砕し、2mm以下の試料に篩分けします。
このとき、石や木片が混入しないように十分注意して行います。

③抽出作業
今度は、2mm以下になった土壌試料を溶媒に抽出させます。
分析試料と溶媒(純水:水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるようにしたもの)とを重量体積比10%の割合で混合し、その混合液が500mlとなるようにします。
その後、調製した試料液を振とう機(振とう回数:毎分約200回,振とう幅:4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続振とうします。

④ろ過作業
抽出が終わると、前処理最後の工程のろ過作業になります。
試料液を10分から30分程度静置後、毎分約3000回転で20分間遠心分離した後、その上澄み液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過をします。
土壌の性状によっては、ろ過の速度が遅く、1検体2時間かかることもあります。

 今回は、私が日々行っている正確な分析には欠かせない検液作成「平成15年3月 環境庁告示第18号」についてお話ししました。
(注)VOC(揮発性有機化合物)の検液作成方法は異なります。

お客様に正確な分析結果を提供するために、私は今後も精進していきます。

分析技術グループ 野坂