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地面の穴

 梅雨が終わり、夏の到来とともに、街路樹の根元に直径1.5㎝位の穴がたくさん開いているのを見たことはありませんか?
 「誰があけたのだろう」
 私は、この穴を見つける度に不思議で仕方ありませんでした。

いきなり結論が出ました!

 ある日、突然その疑問に決着がつきました!穴の中にセミの幼虫がいるのを見つけたのです。このセミの幼虫、見つけた当初は穴の出口付近にいましたが、撮影のためライトを当てているうちに奥に引っ込んでしまいました。semi1.png

更にすごい現場が!

 この写真を撮ったのは、南町田駅近くのバス通りの植え込みです。他にもいないか探してみたら、さらに二匹見つけました。一匹は地面の上を歩いている個体、もう一匹はなんと道路の縁石で羽化の真っ最中!めったにお目にかかれない光景だったので、自転車用のペンライトと携帯カメラしかありませんでしたが、地面に這いつくばって撮影してしまいました。semi2-2.png

語学力のなさを痛感

 駅のすぐ近くの人通りの多い場所で、そんなバカなことをしていると、道の向こうから、仕事帰りらしい外国人の御一行(20人くらい?)が近づいてきました。当然セミにも気づきました。次々にスマホで撮影を始めました。semi4-2.pngその中の一人が、
"Can you speak English?"
"What is this?"
と話しかけてくるではないですか!ごめんなさい、セミを英語でなんて言うかなんて知りません。
"Sorry,I don't know."
と言うのが精一杯でした。
"In Japanese,Semi."
くらい言えばよかったと後で後悔しました。こんなところで語学力を問われることになろうとは。後で調べたら、セミは英語で"cicada"(シケイダ)というそうです。

セミの穴の特異性

 ところでこのセミの穴、すごく変わっています。皆さん気づいているでしょうか?それは、穴の外に土が無いということです。アリやモグラは、穴を掘った分の土を穴の外に運び出しています。人間がシールドマシンなどでトンネルを掘る場合でも、掘った分の土を穴の外に運び出します。でもセミの穴にはこれがない。インターネットで調べてみると、水分を出して周りの土をドロドロに溶かし、押し固めているのだとか。

 普段の暮らしで、見過ごしている所にも、生物の営みがあると感じました。街の中で暮らしていても、少し視点を変えると、面白い発見ができますよ。

分析技術グループ 吉村