オオスミBLOG スタッフが現場の様子をお届けオオスミBLOG スタッフが現場の様子をお届け

海岸のマイクロプラスチック

 私はサンプリング業務で様々な場所に行きます。その1つに海岸沿いを通り過ぎる案件があります。晴れた日は非常にきれいな海と海岸線を見ることができて感動します。

 しかしある日、内側に入り込んだとある海岸で、車道から見えるほどの大きなプラスチックゴミが散在しているのが見えました。1a.png2a.png以前テレビの放送で、とある海の砂浜を少しとって水に浸したら次々とプラスチック片が浮いてくるという番組を思い出しました。そこで休憩がてら砂浜に行ってみると、波打ち際にカラフルな破片がいたるところに見受けられました。







 そこで、ここの表層部分をすくって自社に持ち帰り、テレビ番組同様に飽和食塩水に浮かべてみたところ、多数のカラフルなプラスチック片であろう破片が浮いてきました。5a.png さらにこれらのプラスチック片であろう破片をひろいあげ、実体顕微鏡で観察したところ、下記のような画像が見受けられました。4a.png

 そこで、9月に購入したサーモフィッシャー製の顕微FT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)で成分分析をしてみました
 その結果、実体顕微鏡で観察したサンプルはプラスチックであることが明らかとなりました。

 7a.png大きさも5㎜以下であることから、今世間で有名になっている「マイクロプラスチック」です。こんな小さいプラスチック片は、私が幼少のころ海で遊んだ時に気付かなかっただけで、実は存在していたのか?今やこんなにもマイクロプラスチックが海辺に存在するようになったのか?と困惑しました。

6a.png プラスチックは現代では我々の生活に深く浸透し、もはや完全にこの世界からなくすことは不可能だと思われます。プラスチックで生計を立てている関連企業も多いため、安易に完全撤廃を行うのも難しい問題ですしかし、使い捨てプラスチック等を減らし、代わりになる素材を開発する等、なくすことはできないまでも、最低限は残しつつ、プラスチックと向き合っていくことが大切であると思います。生産者、消費者、環境そして地球の全てが持続可能であるために。

 オオスミでも、SDGs((持続可能な開発目標)の一環として、勉強会をはじめ、様々なことに着手し始めています。

 隅田川も以前は高度経済成長期に排水で汚染されてはいたものの、各種処理場のおかげで今では様々なイベントが開催されるまできれいになった経緯があるそうです。マイクロプラスチックも今世界中が関心を集めている環境汚染問題の一つです。隅田川の例のように、プラスチックが減少して改善された環境を目指して、これから様々なプラスチック問題に取り組んでいきます。

 分析グループ 畠山