PCB廃棄物の処分期限まで残すところあと10年となりました。しかし、廃棄物の種類や処理場によっては期限を前倒しして処理終了を予定している場合があります。
PCB特措法の一部改正が平成28年8月に施行されました。これに併せて関係法令等も改正されています。今回の改正で所有者の皆様に注目していただきたいのは、高濃度PCB廃棄物の処理期限が規定されたことです。
神奈川県の高濃度PCB廃棄物について見てみると、変圧器・コンデンサーは平成34年3月31日まで、安定器・汚染物は平成35年3月31日までに処理することになっています。あと5年しかありません。
処理期限が最も早いJESCO北九州事業エリアでは残り500日を切っており、環境省でも情報サイトが開設されるなど、動きが活発になっています。
PCB特措法は、あくまで使い終わった「廃棄物」に適用される法律です。もう一つの注目点は、特措法改正に併せて、電気事業法も一部改正されたことです。これにより使用中の電気工作物であっても、高濃度PCBを用いている機器は期限までに処理しなければなりません。
PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会では、PCB廃棄物および使用機器の掘り起しや電気管理者への広報に力を入れていくことが提言されています。今後、所有者の皆様へPCB廃棄物の有無の確認依頼が行政から届いたり、施設の電気主任技術者等から蛍光灯安定器の調査や機器更新の催促などがくるかもしれません。
また、改正に伴い毎年6月30日までに提出している「保管状況等届出書」も様式に若干の変更が見られます。本稿執筆時、各自治体HPで掲載されている届出書は旧版が多いようです。これから6月に向けて各HPも更新されていくものと思われますが、皆様もどうぞご注意ください。
調査に伺った際、所有者の方からは「再び処理期限が延びるのではないか」というご意見をいただきます。
確かにPCB廃棄物処理基本計画には「達成は決して容易ではない」という表現が見られます。しかし検討委員会では、「処理期限の延長は行わない」という強い意見が出ており、計画どおりに処理施設を解体・撤去していくものと思われます。
やはり、期限までに処理を完了させることをお勧めします。
廃棄する機器が普通産廃か、PCB廃棄物かで処理費用は大きく変わります。
PCB廃棄物処理のことは実績のあるオオスミにぜひ、ご相談ください。