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日本と国際で異なるアスベスト分析方法

仕事が丁寧で、正確さを重んじる日本人。細かいことよりも、効率を重んじる外国人。アスベストの規格が日本と国際で別れているのは、そういった人種による特有の考え方が影響しているように思います。

5-クリソタイル15500.jpgのサムネイル画像現在、日本のアスベスト分析方法は、日本工業規格であるJIS A 1481-1,-2,-3,-4に基づいています。その内、アスベストの含有の有無を確認するための定性分析は、日本独自の規格がJIS A 1481-2、国際規格に準拠した方法がJIS A 1481-1となっており、どちらの方法でも分析することが可能です。

日本独自の規格と国際規格(ISO)の違い

日本独自の規格では、建材を粉砕し、位相差顕微鏡と粉体測定用X線回折装置を用いて微細なアスベストまで確認します。国際規格(ISO)では、建材を実体顕微鏡や偏光顕微鏡で観察し、材質ごとのアスベストを確認します。

日本独自の規格と国際規格(ISO)の石綿判定方法

規格 判定方法
日本規格 アスペクト比:3以上、X線回折によるアスベスト回折ピークの有無
国際規格 形態:アスベストフォーム
長さ:5μmを超える
アスペクト比:20以上

日本独自の規格は、アスペクト比のみが判定の基準となるため、比率が合致すればどんな形状でもアスベストと判定します。
BCS_233.JPGのサムネイル画像 一方、上記の表の通り国際規格は、アスベストの形態に主軸を置いた判定方法で、長さが5μmを超える、かつ、アスペクト比20以上の繊維でないとアスベストとして判定しません。

この2つの規格はいずれも一長一短あり甲乙つけがたいですが、日本の規格と国際規格の良いところを採用することで、より精度の高いアスベスト分析を実現していきたいと思います。


※平成29年3月に厚生労働省からアスベスト分析マニュアル【1.10版】が発行されました。これにより、JISに書かれている内容がより細かく分かりやすく表記されるようになりました。

調査第一グループ 二戸