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外部精度管理の重要性

現在、オオスミでは外部精度管理に積極的に参加しています。
 外部精度管理とは、公的機関が、ある一定の濃度の試料を複数の分析組織に配布し、その分析結果を統計的に評価、検討する取組みの事です。

 外部精度管理は環境省、日本環境分析協会、神奈川県環境計量協議会(神環協)など複数の組織がおこなっています。規模や項目はその都度変わりますが、オオスミが平成29年度に参加した年間項目数は40以上になります。

参加メリット

・技術力の維持
 bi-ka-.png外部精度管理の分析を行う際に、必ず事前の打ち合わせを行う事にしています。これにより、今行われている分析工程におかしなところは無いのか、どのようなところに注意して取り組むべき項目なのかを再確認することが出来ます。技術を伝承していく術の一つとして活用しています。

・小さな変化に気づくため
 日常的な数値の確認は内部精度管理により行っています。しかし、ほかの会社と数値を比較することにより初めて気づくことがあります。機器の劣化により少しずつ数値の傾向が変わっていく事例があったのですが、外部精度管理の結果より数値に偏りが出ていることに気づくことが出来、早い段階で対策を打つことが出来ました。

 その他にも、他機関がどんな手法を用いて分析を行っているかを知ることが出来たり、項目に関する問題点などを報告書という形で提供してもらえたりと参加することによるメリットは複数あります。

分析業界にとって重要な取り組み

 hon.jpgもちろん、苦労することも多くあります。実施時期が業務の繁忙期に重なってしまうこと。複数の機関で同じ項目の設定となってしまい短い期間で何度も同じ項目の精度管理を実施しなければならないこと。提供試料の濃度調整がうまくいっておらず、事前の想定濃度に結果が収まらず何度もやりなおしを実施しなければならなくなってしまうことなどです。

 しかし、分析の業界全体の精度を確保するためにこの外部精度管理の取り組みは非常に重要な意味を持ちます。適切な精度管理は社内だけで達成されるのではなく、外部と情報交換を取り合っていくことでこそ、実現できると考えています。

 今後も、自社の精度の確保のみならず分析業界全体の精度確保のために、外部精度管理に参加していきます。

分析技術グループ 松川