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プラスチックごみと環境問題

 ウミガメなどの海洋生物がプラスチックごみに絡まる写真や,海鳥の胃から大量のプラスチックの破片が検出されたニュースを見ることがあります。海に流れたプラスチックを獲物と間違えて誤食、窒息などで毎年10万体以上の海洋生物が死んでいます。
 漁具,風船,プラスチック袋,プラスチック食器(フォークやストロー等を含む)が誤食と絡まりの被害を引き起す主な要因になっているそうです。

驚くべきプラスチックゴミの生産量


 ペットボトルやレジの袋、サランラップなどの食品保存袋など、プラスチックは我々の生活に無くてはならない必需品です。umi.jpgのサムネイル画像そのプラスチックは19世紀後半に発明され、生産が本格化したのは1950年頃、1950年から2017年までの間に製造されたプラスチックの総量は83億トン。そのうち約半分は過去13年間に生産されたようです。

 そして、今日までに生産されたプラスチック製品のうち,63億トンがすでに廃棄物となっています。そのゴミに関する内訳として

・約90%は埋め立て処分されたか、燃やして処理するか、海洋などの自然環境に投棄
・約10%だけがリサイクル(焼却して熱利用、油化としての再利用は除く)

 このように、約10%しかリサイクルされていない現状となっています。もしこのままの勢いでプラスチックの生産と廃棄が続くと、2050年までに120億トンのプラスチックごみが埋め立て処分されるか、自然環境に投棄されると考えられています。また、プラスチックの依存症を劇的に変化させなければ、あと30年以内に海のプラスチックごみが魚の量を超えるというとても恐ろしいことになってしまうかもしれません。

 例えば動物や建物などに例えてみますと・・象が10億頭、シロナガスクジラが1800万頭、エッフェル塔が12万2000棟、橫浜ランドマークタワーだと2万7000棟に相当、だそうです。ますますピンときませんが、これだけ多くのプラスチックが今まで消費されています。

今の自分に出来る事

 皆さんはプラスチックフリージュライという言葉をご存知ですか?
 言葉通り、7月の1ヵ月間使い捨てプラスチック用品を日々生活から無くす努力をするってことです。2011年にオーストラリアで始まって、毎年たくさんの人が参加してるキャンペーンです。全く使用しないというのは難しいかもしれませんが、ほんの少しの努力ときっかけでその量を減らすことが出来るかと思います。

bag.JPGのサムネイル画像 私自身も意識してプラスチックを使用しない生活に取り組んでみました。取り組んだ内容としては以下、2点です。
・会社で飲む飲み物はマイボトル持参でその中に飲み物を入れていく。
・レジ袋をもらわずになるべくエコバック持参で買い物に行く。
ありきたりですが、無理なく出来ることからと思い取り組んでいます。

 他に以下のような取り組みもあるようです。
・サランラップ、ジップロックなどの使い捨て食品保存グッズからガラス製、陶器など繰り返し使える容器に変更する。
・テイクアウト用のお店でもらう容器やストローではなくマイボトルに入れてもらう。

 出来ることは微々たるものかもしれませんが、皆さん一人一人が意識して使用しないことで、結果的に大量のプラスチックフリーに繋がるのではないかと思います。
 完全になくそうではなく、まず出来ることから取り組んだり、意識したりすることも取組になるのではないかと思います。また、いきなり1ヶ月の期間ではなく、1日だけやってみてどんどん頻度を増やしていくと当たり前のことになっていくのかもしれません。

 この記事を見ていただいた方が少しでもプラスチック汚染や、使い捨てプラスチックを生活から減らすきっかけになれば幸いです。

分析技術グループ 下山