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ただの数字ではない数値
 ~環境等分析の精度管理の重要性~

重大な責務を担う数値

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 オオスミでは、水質や土壌、大気・ガス等、様々な試料について試験を行います。お客様には試験結果の「数値」が成果品となります。
 試験結果は、お客様の施設の維持管理や改善への活用、私たちをとりまく水・土・大気などの環境状態の現状把握・監視、処置の効果確認などに用いられます。また、その試験結果を元に土地取引などの経済活動に利用されることもあるので、重大な責務を担っています。

 しかし、JIS 規格や告示に書いてある分析方法のまま行うだけでは、試験結果の品質は保証することができません。

品質保証のための重要な取組

 試験結果は社会活動の基礎に活用されることから、常に品質の良い試験結果を提供する使命があります。試験結果の品質を保証する取り組みのいくつかをご紹介します。

  1. 定められた手順(業務フロー、SOPなど)に従い、業務を行うこと。
  2. 分析精度が保証された定量下限値であり、分析操作が検証されていること。
  3. 試験に用いる測定機器の日常点検・定期点検を行い、良好な状態に保たれており、測定前に機器の校正が行われていること。
  4. 試験には適正な計量器を用いること。
  5. 標準物質や試験に用いる試薬を適正に管理すること。
  6. 業務に携わる技術者の継続的教育を行い、社内承認を受けた者が試験を実施していること。
  7. 上級技術者による有資格者が検査、承認を行っていること。
  8. 試験室はコンタミネーション等を発生させないよう、清浄根状態に保つこと。
  9. 品質の保証と試験結果の精度を継続的に維持するため、精度管理を行っていること。

その他、ここに掲げた事項の他にも様々な取り組みを行っています。

継続的な精度維持のための日々の積み重ね

bi-ka-.png 品質保証の取り組みに掲げた精度管理には、内部精度管理と外部精度管理があります。 内部精度管理は、主に精密さ(ばらつき)を管理します。自らの試験所内部で行う試験で、ブランク試験、機器安定性試験、添加回収試験、並行測定、などを日常業務の中で実施しています。 外部精度管理は、主に正確さ(かたより)を管理し、精密さと正確さの両方を評価する試験もあります。

図.png  試験方法は複数の試験機関で共通試料を分析し、自らの試験所の位置づけや傾向を客観的に評価します。代表的な試験には、300~400の試験機関が参加する環境省の「環境測定分析統一精度管理調査」や(一社)日本環境測定分析協会の「ISO/IEC 17043に基づく技能試験」などがあり、オオスミでは年間十数回、延べ50項目以上に及ぶ各種の外部精度管理に積極的に参加し、日常業務にフィードバックしています。

正確な数値の裏側

 お客様に提出する成果品は「数値」が記載された計量証明書や、分析結果報告という書面ですが信頼のある試験結果を提供するため、「数値の裏側」で品質の向上、精度の維持に努めています。

分析技術グループ 管