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海洋プラスチック問題の現状

umi.jpgのサムネイル画像 海洋プラスチック問題、その名の通り海に廃棄されたプラスチックごみによる環境問題です。海辺で流れ着いているペットボトルなどを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。このオオスミブログでも過去に先輩方が取り上げられた記事があり、私も想像を超える排出量に驚きました。

 では海洋プラスチック問題は実際にどのような被害を及ぼすのでしょう?海が汚れる、プラスチックは自然に悪そうといった印象はあるもののイメージしにくい実際の被害を調べてみたいと思います。

海洋生物への影響

 数年前、鼻にプラスチック片が突き刺さったウミガメの痛々しい写真が話題になりました。かくいう私もその写真を見て海洋プラスチック問題を知りましたが、世界中の海でこれと似たことが多数起きてしまっています。放置された漁網に絡まり溺死してしまうウミガメや海鳥、誤食してしまい窒息する生物、写真のウミガメのように怪我を負う生物もいます。

 そして目に見えにくい影響としてマイクロプラスチックがあります。紫外線や衝撃で破砕され細かくなった5mm以下のプラスチックのことであり、これは生物が誤飲しやすく、炎症などを起こすこともある他、含まれる有害物質が分解されず体内へ蓄積されていく可能性があり、実際に魚の体内から溜まったプラスチック由来の化学物質が見つかっているとの報告もあります。

人への影響

 最も懸念されている人への影響は、マイクロプラスチックを体内に蓄積した魚などを食べて、人にプラスチックが蓄積することによる健康被害です。これは生体濃縮という現象ですが、魚の食物連鎖を介して水銀が蓄積し、それを人が食べたことによる水俣病という有名な前例があります。プラスチックの蓄積による健康被害はまだ詳しくはわかっていませんが、有害化学物質を含むため、これが蓄積されれば健康被害が出てしまうことが予想されています。

 他にも、プラスチックごみによって海洋生物が被害を受け続ければ漁獲量が減り、魚が食べられなくなってしまうかもしれません。海にプラスチックがあふれれば景観も損ないます。美味しい魚が食べられなくなり、綺麗な海が見られなくなるのは悲しいことです。

 今回調べたことでこのように長い期間で見ての人への被害、すでに起こってしまっている海洋生物への被害など様々な痛ましい被害があることがわかりました。一度排出された海洋プラスチックを回収することは難しいことです。海洋プラスチック問題を改善するために、私自身もペットボトルなどの身近なところから、海を綺麗に保てるよう努力していこうと思います。

 調査第一グループ 下村